H24.10.7 東京新聞より

【埼玉】

7割が現病院近くに居住 県立小児医療センター 過去1年間の緊急受診者

さいたま新都心への移転計画が進む県立小児医療センター=さいたま市岩槻区で

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 さいたま新都心(さいたま市中央区)への移転計画が進む県立小児医療センター(同市岩槻区)の利用状況について、県が患者や家族を対象に行った二次アンケートの結果がまとまった。患者の半数が過去一年間に病状の悪化などで同センター外来を緊急受診し、そのうち七割が新都心よりも現病院に近い地域に居住。緊急受診回数が多い人ほどこの傾向が顕著で、移転の影響が大きいことが浮き彫りになった。 (前田朋子)

 二次アンケートは七~八月に実施。四~五月の一次アンケートで追加調査を希望した人など五百六十四人に、通院状況や移転への不安などを聞いた。

 通院状況の質問では、回答者二百八十五人のうち半数が過去一年間に、呼吸状態の悪化や発熱、けいれん発作の症状などで緊急外来を受診した。回数は一~五回が百十七人、六~十回が二十人で、十一回以上が五人もいた(未回答二人)。

 この百四十二人のうち、新都心よりも現病院の方が近い場所に住む人は九十七人で、68%を占める。緊急外来受診の頻度と住まいとの関係では、現病院の方が近い人は一~五回で68%、六~十回で70%、十一回以上で80%。県は「症状が重いため、現病院の近くに転居してきた方もいる」と説明している。

 センターは、一般の病院では対応が難しい診療を行う専門病院で、長期間通院する重度心身障害児も少なくない。アンケートではほかの病院での受診拒否の有無も聞いたところ、全回答者のうち29%が「ある」とした。

 患者の家族の自由記述では、センターの移転について「自宅からの距離が長くなり、生命の危険に対する不安がある」「交通渋滞や交通量が多いことが非常に負担」「新都心では、電車で通う人にしかメリットがないと思う」などと不安の声が上がっている。

 センターは、さいたま赤十字病院(さいたま市中央区)とともにJRさいたま新都心駅近くに移転する計画で、新病院の開院目標は二〇一六年度。県は、センターの現在地に医療機能の一部を残す方針だが、現在地周辺の患者家族らは移転撤回を求める署名運動などを進めている。

 県は、重度心身障害児の家族ら約四十人への聞き取り調査も実施中で、担当者は「患者ごとの状況を把握し、現在地にどのような機能が必要か検討したい」としている。