e86b2528.jpg3月12日(月)22時~、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で小児看護専門看護師・長田暁子さん(神奈川県内に5病院ある「総合周産期母子医療センター」のひとつ、横浜市立大学附属市民総合医療センター)が紹介される。日本ではまだ73名しかいない専門職、ぜひとも見なくては。

ところで、3月1日(木)のブログ「新都心病院移設問題 「周産期医療」と「救命医療」は日赤病院で充分?」に関して、記載内容を一部訂正して欲しいと、県庁職員から申し出を先日受けました。

新都心への移設後のさいたま赤十字病院の病床数は、MFICU9床、一般産科31床、NICUとGCUは変化なしとのことです。「住民説明会」で提示された資料に基づき、NICUとGCUが31床増床すると私が誤解してお伝えしてしまいました。

日赤病院がNICUも増床して、単独で「総合周産期母子医療センター」となる可能性は、医師・看護師の確保が難しく等の理由でありえない。とはいえ、日赤病院の移設計画の全容はいまだ不明ですが、3月末には公表予定とのこと。NICUとGCUの充実を担う「県立小児医療センター」とタイアップすることによって始めて「総合周産期母子医療センター」としての要件を満たすことになります。より丁寧な説明を期待したいものです。

■県立小児医療センター(さいたま市岩槻区): 
□現状: 一般240床、周産期42床(NICU15床+GCU6床+後方21床)、救急18床(ICU8床+CCU4床+専用6床)。
□2016年7月、新都心へ移設後: 一般204床、周産期78床(NICU30床+GCU48床)、救急34床(PICU14床+HCU20床)。

■さいたま赤十字病院(さいたま市中央区): 
□現状: 一般605床(産科30床)、周産期5床(NICU3床+GCU2床)、救急52床(専用52床)。
□2016年7月、新都心へ移設後: 一般?床(産科31床)、周産期14床(MFICU9床+NICU・GCU5床)、救急?床(PICU?床+HCU?床)。


ところで、「総合周産期母子医療センター」が、埼玉県内で川越の埼玉医大の他にもう一か所必要だとする根拠に、次のような統計があります。

(1)埼玉県内の高齢出産は増加傾向にある(40歳以上の出産は全体の3%弱まで増加)。
(2)2,500g未満の未熟児が増加しつつある(毎年5,700名程、その内1,500g未満は400名前後)。

■1998年 新生児67,144名 内2,500g未満7.87%(5,285名)
母親が29歳未満55.67%(37,381名)、30代前半33.40%(22,429名)、
30代後半9.78%(6,566名)、40歳以上1.14%(768名)
■2003年 新生児63,224名 内2,500g未満9.06%(5,726名)
母親が29歳未満46.57%(29,442名)、30代前半38.05%(24,056名)、
30代後半12.94%(8,183名)、40歳以上1.65%(1,043名)
■2008年 新生児60,520名 内2,500g未満9.45%(5,718名)
29歳未満39.74%(24,051名)、30代前半38.08%(23,044名)、
30代後半19.61%(11,869名)、40歳以上2.57%(1,555名)
■2009年 新生児59,725名 内2,500g未満9.42%(5,626名)
29歳未満38.33%(22,891名)、30代前半37.59%(22,451名)、
30代後半21.15%(12,634名)、40歳以上2.94%(1,758名)
■2010年 新生児59,437名 内2,500g未満9.52%(5,661名)
29歳未満39.74%(24,051名)、30代前半38.08%(23,044名)、
30代後半19.61%(11,869名)、40歳以上2.57%(1,555名)


また、こうした母体と新生児の傾向に対して、医療機関の充実はどうか? 首都圏1都6県の「総合周産期母子医療センター」や「地域周産期母子医療センター」の配置状況、それら病院などのNICUのベッド数を概観すると次の通り。

南関東は充実しているけど、北関東は手薄の印象があります。また、政策医療として県立病院や市立病院が必ずしも担っているとは限らないようです。各都県の周産期医療の必要性をはじめ、医師や看護師の配置・雇用環境、各病院の経営状況など、周産期医療を取り巻く課題を今後とも考えて行きたいと思います。


埼玉県:総合1病院、地域9病院、NICU計127床(今後、県立小児医15床と埼玉医大30床を増床予定)。

東京都:総合12病院、地域12病院、NICU計282床。
神奈川県:総合5病院、地域14病院、NICU計205床。
千葉県:総合3病院、地域6病院、NICU計108床。

群馬県:総合1病院、地域5病院、NICU計30床。
栃木県:総合2病院、地域6病院、NICU計44床。
茨城県:総合4病院(実質3病院)、地域4病院、NICU計33床。

■:総合周産期母子医療センター
□:地域周産期母子医療センター

<群馬県> ※2011年3月「周産期医療体制整備計画」による
県立小児医療センター(渋川市):MFICU6床、NICU12床(+3床増床予定)+GCU20床(2床減少予定)
公立藤岡総合病院(藤岡市):準NICU2床+GCU6床。
群馬大学医学部附属病院(前橋市):NICU9床+GCU8床(+3床増床予定)。
社会保険群馬中央総合病院(前橋市):準NICU5床+GCU11床。
桐生厚生総合病院(桐生市):NICU9床(+3床増床予定)+GCU12床(+3床増床予定)。
富士重工健康保険組合・総合太田病院(太田市):準NICU5床+GCU5床。

<栃木県> ※2011年6月「周産期医療体制整備計画」による
自治医科大学附属病院(下野市):一般産科50床+MFICU12床、NICU12床+GCU24床。
獨協医科大学病院(壬生町):一般産科29床+MFICU11床(準含む)、NICU9床+GCU30床。
大田原赤十字病院(大田原市):一般産科38床、準NICU3床+準GCU8床。
芳賀赤十字病院(真岡市):一般産科34床、NICU6床+GCU6床。
足利赤十字病院(足利市):一般産科22床+MFICU2床、準NICU5床。
国際医療福祉大学病院(那須塩原市):一般産科14床+MFICU6床、NICU9床+GCU3床。
済生会宇都宮病院(宇都宮市):一般産科32床、NICU8床+GCU10床。
佐野厚生総合病院(佐野市):一般産科40床、準NICU3床。

<茨城県> ※2011年3月「周産期医療体制整備計画」による
県立こども病院(水戸市):NICU15床+準GCU25床。
水戸済生会総合病院(水戸市):一般産科15床+MFICU6(準含む)。
筑波大学附属病院(つくば市):一般産科26床+MFICU6床、NICU9床+GCU12床。
総合病院土浦協同病院(土浦市):一般産科50床+MFICU6床、NICU9床+準GCU25床。
水戸赤十字病院(水戸市):一般産科40床、準NICU4床。
日製日立総合病院(日立市):一般産科44床+準MFICU4床、準NICU6床+準GCU14床。
総合病院取手協同病院(取手市):一般産科36床、準NICU5床。
茨城西南医療センター病院(猿島郡境町):一般産科22床+準MFICU6床、準NICU9床。

<神奈川県> ※2011年1月「周産期医療体制整備計画」による
県立こども医療センター(横浜市南区):一般産科24床+MFICU6床、NICU21床+GCU22床。
横浜市立大学附属市民総合医療センター(横浜市南区):一般産科36床+MFICU6床、NICU9床+GCU12床。
聖マリアンナ医科大学病院(川崎市宮前区):一般病床50床+MFICU6床、NICU12床+GCU24床。
北里大学病院(相模原市南区):一般産科29床+MFICU6床、NICU18床+GCU17床。
東海大学医学部付属病院(伊勢原市):一般産科32床+MFICU9床、NICU12床+GCU12床。
国立病院機構・横浜医療センター(横浜市戸塚区):一般病床24床、NICU6床+GCU4床。
横浜市立大学附属病院(横浜市金沢区):一般産科12床、NICU6床。
横浜市立市民病院(横浜市保土ヶ谷区):一般病床18床、NICU6床。
昭和大学横浜市北部病院(横浜市都筑区):一般産科44床、NICU9床+GCU14床。
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院(横浜市旭区):一般産科33床、NICU9床。
労働者健康福祉機構・横浜労災病院(横浜市港北区):一般産科24床、NICU9床+GCU8床。
済生会横浜市東部病院(横浜市鶴見区):一般産科35床、NICU6床+GCU10床。
川崎市立川崎病院(川崎市川崎区):一般産科44床、NICU6床+GCU13床。
日本医科大学武蔵小杉病院(川崎市中原区):一般産科28床、NICU3床+GCU6床。
社会保険相模野病院(相模原市中央区):一般産科38床、NICU11床+GCU8床。
藤沢市民病院(藤沢市):一般産科16床、NICU9床+GCU6床。
横須賀共済病院(横須賀市):一般産科12床、NICU9床。
茅ケ崎市立病院(茅ケ崎市):一般産科33床、NICU3床+GCU16床。
小田原市立病院(小田原市):一般産科25床、NICU6床。

<東京都> ※2012年3月1日現在
都立多摩総合医療センター都立小児総合医療センター・総合周産期母子医療センター多摩(府中市):MFICU9床、NICU24床。
都立大塚病院(豊島区):MFICU6床、NICU15床。
都立墨東病院(墨田区):MFICU9床、NICU15床。
日本赤十字社医療センター(渋谷区):MFICU6床、NICU15床。
杏林大学医学部付属病院(三鷹市):MFICU12床、NICU15床。
東京大学医学部附属病院(文京区):MFICU6床、NICU9床。
東京女子医科大学病院(新宿区):MFICU9床、NICU15床。
昭和大学病院(品川区):MFICU9床、NICU15床。
東邦大学医療センター大森病院(大田区):MFICU9床、NICU12床。
帝京大学医学部附属病院(板橋区):MFICU10床、NICU12床。
日本大学医学部附属板橋病院(板橋区):MFICU9床、NICU12床。
愛育病院(港区):MFICU6床、NICU9床。
葛飾赤十字病院(葛飾区):NICU9床。
国立成育医療研究センター(世田谷区):NICU21床。
国立国際医療研究センター病院(新宿区):NICU6床。
東京医科大学病院(新宿区):NICU12床。
慶応義塾大学病院(新宿区):NICU9床。
東京慈恵会医科大学附属病院(港区):NICU9床。
順天堂大学医学部附属順天堂病院(文京区):NICU6床。
東京女子医科大学東医療センター(荒川区):NICU9床。
聖路加国際病院(中央区):NICU6床。
賛育会病院(墨田区):NICU6床。
武蔵野赤十字病院・地域周産期母子医療センター(武蔵野市):NICU12床。
町田市民病院(町田市):NICU6床。

<千葉県> ※2011年3月「周産期医療体制整備計画」による
千葉大学医学部附属病院(千葉市):NICU6床+GCU6床。
東京女子医科大学附属八千代医療センター(八千代市):MFICU6床、NICU15床+GCU25床。
亀田総合病院(鴨川市):MFICU6床、NICU9床+準GCU18床。
千葉市立海浜病院(千葉市):NICU12床+準GCU30床。
順天堂大学医学部附属浦安病院(浦安市):準MFICU1床、NICU3床+GCU8床。
東邦大学医療センター佐倉病院(佐倉市):NICU9床+GCU6床。
船橋中央病院(船橋市):MFICU6床、NICU15床+準GCU25床。
国保旭中央病院(旭市):NICU9床+GCU21床。
国保直営・君津中央病院(木更津市):NICU9床+GCU32床。

<埼玉県>
埼玉医科大学総合医療センター(川越市):一般産科31床、周産期63床(MFICU15床+NICU30床+GCU18床)。
県立小児医療センター(さいたま市岩槻区):周産期42床(NICU15床+GCU6床+後方21床)。
さいたま赤十字病院(さいたま市中央区):一般産科30床、周産期5床(NICU3床+GCU2床)。
自治医科大学付属さいたま医療センター(さいたま市大宮区):一般産科23床、周産期12床(NICU3床+GCU9床)。
さいたま市立病院(さいたま市浦和区):一般産科29床、周産期30床(NICU9床+GCU21床)。
川口市立医療センター(川口市):一般産科30床、周産期30床(NICU9床+GCU21床)。
埼玉県済生会川口総合病院(川口市):一般産科25床、周産期5床(NICU3床+GCU2床)。
独立行政法人国立病院機構西埼玉中央病院(所沢市):一般産科40床、周産期25床(NICU9床+GCU16床)。
埼玉医科大学病院(毛呂山町):一般産科25床、周産期42床(MFICU6床+NICU18床+GCU18床)。
深谷赤十字病院(深谷市):一般産科42床、周産期13床(NICU3床+GCU10床)。

「新生児センター」: 
丸山記念総合病院(さいたま市岩槻区):一般産科22床。
越谷市立病院(越谷市):一般産科14床(婦人科を含む)、周産期6床(NICU6床)。
獨協医科大学越谷病院(越谷市):一般産科37床。
防衛医科大学校病院(所沢市):一般産科35床、周産期12床(NICU12床)。
厚生農業協同組合連合会熊谷総合病院(熊谷市):一般産科15床。

その他
草加市立病院(草加市):一般産科31床、周産期5床(準NICU5床)。
瀬戸病院(所沢市):一般産科60床、周産期3床(NICU2床+GCU1床)。

「周産期医療」を休止中の病院
埼玉社会保険病院(さいたま市浦和区):一般産科?床(他に休止中34床)、周産期10床(準NICU10床)。2008年2月以降、診療報酬上NICUを休止。2009年4月以降、小児科医不足により分娩取扱い休止。
春日部市立病院(春日部市):一般産科31床(他に休止中18床)、周産期5床(準NICU5床+他に休止中3床)。2009年10月以降、正常分娩取扱い一部再開。2010年4月以降、小児科入院一部再開(紹介のみ)。2015年移転予定。
北里大学北里研究所メディカルセンター病院(北本市):一般372床、救急8床(専用2床)。2010年11月以降、産科は休止中。
小川赤十字病院(小川町):一般252床、精神50床、救急37床(専用10床)。産科は休止中。