msn産経ニュースより

一部機能を存置へ 知事が「小児医療センター」移転計画見直し表明

2012.2.20 22:46
一部機能の存置が検討されることになった埼玉県立小児医療センター=さいたま市岩槻区

一部機能の存置が検討されることになった埼玉県立小児医療センター=さいたま市岩槻区

 埼玉県の上田清司知事は20日、県議会本会議での議案説明の中で、さいたま新都心(さいたま市中央区)への移転を計画している県立小児医療センター(同市岩槻区)について、「患者や家族の不安に応えるため、その機能の一部を何らかの形で現在地に残す検討もする」と述べ、全機能を移転する当初計画を見直す方針を明らかにした。

 記者団の取材に対し、上田知事は「要望が強く、オール・オア・ナッシングというのもいかがかと思った」と方針見直しの理由を説明。「(移転後の)新しい病院にかなりの人が行かれることが前提。現在地へ通う人が少ないのなら、一定程度の医療人員を残すことは可能だ」と話した。

 県病院局経営管理課によると、県はこれまでに患者家族や地元などへの説明会を計4回実施。そこで強い反対の声が上がったことなどを上田知事に説明したところ、再検討を指示されたという。

 センターの移転計画は建物の耐震性が不十分であることが理由の一つだが、平成10年に建て増しされた「保健発達棟」は補強の必要がないという。県はこの棟で、難病の子供の外来診察ができないかを検討する。また、センターとともに移転する予定だった県立岩槻特別支援学校の一部機能を残すことも検討する。

 患者家族らでつくる「県立小児医療センター存続を求める家族の会」代表の藤田けい子さん(39)は「全部がなくなるよりは少し希望が持てた。複数の診療科を掛け持ちしている子供が多いので、保護者の話をよく聞いてやってほしい」と話した。

 一方、共同事業者であるさいたま市には県の意向は事前に伝わっておらず、市議会では市民から提出されていた現在地での建て替えを望む請願の取り扱いをめぐって混乱。「県立施設」についての請願は通常は不採択となるが、保健福祉委員会で急遽、扱いを「継続審議」とした。

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