msn産経新聞・移転について議論されました

なぜ今ごろもめるの? さいたま新都心8-1A街区への2病院移転 説明不足か言いがかりか

2011.12.16 11:15
さいたま新都心への2病院移転計画について「県の説明は不十分」との不満が噴出した県議会。上田清司知事も答弁で動きの遅さは認めた=14日、県議会議場

さいたま新都心への2病院移転計画について「県の説明は不十分」との不満が噴出した県議会。上田清司知事も答弁で動きの遅さは認めた=14日、県議会議場

 埼玉県とさいたま市が共同で計画したさいたま新都心8-1A街区(同市中央区)にさいたま赤十字病院(同区)と県立小児医療センター(同市岩槻区)を移転、併設させる事業について、計画発表から半年を過ぎた今ごろになって県議会で批判の声が上がっている。「計画の進め方について議会や地元に対する県側の説明が不十分」というものだが、医療充実は県民の願いでもあるはずなのに、なぜこうなってしまったのか。(安岡一成)

 

 ●反対攻勢

 

「自民は不思議なことを言うなあ。じゃあ、なんで選挙で知事を応援したんだよ…」

 

 9月県議会最終日の10月14日、本会議のテレビ中継を横目に、ある県幹部がこうつぶやいた。

 議場で自民県議が行っていたのは、8-1A街区整備について、知事に県議会などと十分な議論をするよう求める決議案の賛成討論。しかし、その3週間前の9月22日、自民県議団の奥ノ木信夫団長は、7月の知事選で3選を果たした上田知事への議会代表あいさつで「この施設が完成すれば県民に大きな安心・安全を提供できる」と、計画に賛意を示していた。

 だが結局、決議案は賛成多数で可決。ここから議会の“攻勢”が始まった。

 11月25日には自民県議の一部が上田知事に対し、知事の肝いり政策を持ち出し「8-1A街区をエコタウン化すること」を求める要望書を提出。さらに12月県議会でも、12日の一般質問で沢田力氏(自民)が県の説明不足をただした。

 ●説明会も実施

 

6月2日、上田知事はさいたま市の清水勇人市長と市内で記者会見し、2病院の8-1A街区への移転計画を発表。知事選でも計画の実行を公約に掲げ、ほとんどの県議が上田知事を支援した。

 

 また、県は新都心の地権者に6、10、11月の計3回、地元の自治会長には10月に説明会を実施している。ただ、地元選出県議として説明会を聞いたという沢田氏によると、「6月の説明会は記者会見の内容を繰り返す程度。10月は住民から『民意不在』『絶対反対』との声も飛び交っていた」という。

 ●最初の食い違いが…

 

沢田氏によると、6月の知事、市長の会見の前には県から県議側に説明はなく、会見の翌日に資料が郵送されただけという。県の担当者は「構想段階の話だったので、県議への説明は資料郵送でよいと判断した。でもこれが尾を引いたかもしれない」と悔やむ。

 

 沢田氏は12日の一般質問で上田知事に説明不足を指摘したところ、知事は「(説明の)時間が遅いことは反省する。丁寧に謙虚に対応することでカバーしたい」と述べた。

 沢田氏は「病院建設が必要なことは分かっているが、結論ありきの進め方は許せない。今からでも遅くない。落ち着いた話し合いが必要だ」と話す。

 一方で、8-1A街区のエコタウン化を求めた議会の動きについて「病院移転を頓挫させるのが狙いなのでは」「やり過ぎ」との指摘もある。いま県議会に必要なのは、県民の利益を第一に考えた上での議論だ。

 

 

 

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